リンドーズ・アビー蒸溜所
ー スコッチの原点にして革新の地
スコッチウイスキー最古の記録が残る伝説の地、リンドーズ修道院。その歴史は1494年、スコットランド王ジェームズ4世が修道士ジョン・コーに「アクアヴィテ(命の水)」の製造を命じたことに始まります。当時の最先端技術であった蒸留法は、アラビアからシチリアを経て中世ヨーロッパの修道院に広まり、学術・医療の中心でもあった修道士たちの手によって受け継がれていました。リンドーズ修道院もそのひとつであり、1191年にティロン派修道士によってテイ川南岸に建立され、16世紀の宗教改革で破壊されるまで文化と知の拠点として栄えました。

その歴史を現代に甦らせたのが、2017年に創設されたリンドーズ・アビー蒸溜所です。土地のオーナーであるドリュー・マッケンジー・スミス氏が、蒸留器の痕跡を確認した考古学的調査を経て設立。設立には、“ウイスキー界のアインシュタイン”とも称された故ジム・スワン博士が深く関わり、初留1基・再留2基の蒸留システムやSTR樽での熟成といった革新的な技術が導入されています。

発酵時間は96~114時間と極めて長く、もろみからは豊かなトロピカルフレーバーが引き出されます。再留器を2基構えることで銅との接触を増やし、雑味を取り除きながらも、ライアームを下向きに設計することで、重厚でしっかりとした酒質を実現しています。

リンドーズ・アビー蒸溜所は、スコッチの起源に深く根ざしながらも、現代の技術と哲学を融合させた、新たなスコッチの可能性を示す蒸溜所です。
商品情報
リンドーズ シングルモルトMCDXCIV(1494)

リンドーズ・アビー蒸溜所からの、初めてのシングルモルト。
1stフィルバーボン樽熟成原酒、1stフィルオロロソシェリー樽熟成原酒、そしてジム・スワン博士が開発したSTR樽熟成原酒をブレンド。STRとはシェービング(S)、トースティング(T)、リチャーリング(R)の頭文字を取った言葉であり、再活性化した赤ワイン樽を意味します。かつてワインと直に触れていた樽の層を削り取り、露わになった内側の層を熱処理により活性化する事で、これまでアルコールに触れて来なかった無垢なワイン樽の要素が原酒に追加されます。
テイスティングコメント
エレガントで優しいバニラの香り、まるで果樹園にいるかのような果実の香りと洋梨のドロップ。口あたりは非常に滑らかで、バニラやドライフルーツ、柑橘のアクセントと、スパイスが完璧なバランスです。
商品名 | リンドーズ シングルモルトMCDXCIV(1494) |
タイプ | シングルモルト |
ALC. | 46% |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 7,000円+税 |
リンドーズ シングルモルト ティロン2024

リンドーズ修道院を設立したティロン派修道士たちに捧げる特別な限定品シリーズ第一弾。
蒸溜所操業前の2016年にプロジェクトが始動し、彼らの本拠地であるフランス・ティロン・ガルデで伐採されたフレンチオークの樹から樽が組み上げられました。2018年には、このバージンオーク樽にニューポットを詰めて熟成を開始。フレーバーを活かしながら、バーボン樽原酒、赤ワイン樽原酒とヴァッティングし、ノンチルフィルタリング製法でアルコール度数49.4%にてボトリングされています。なお、一本の樹木を伐採するごとに6本の植樹を行っており、今後も年に1回のリリースが予定されています。(2025年8月時点)
テイスティングコメント
バニラと焼いたバナナの芳醇なフレーバーに、シナモンやクリスマスケーキの甘みのあるスパイスが調和しています。やがてバニラとキャラメルのまるみのあるノートや、フルーティな華やかさ、ローストした栗といった様々なフレーバーが次々とあらわれてきます。完璧ともいえるバランスのウイスキーであり、非常に複雑、余韻は心地よくシルクのように滑らかな舌触りが特徴です。
商品名 | リンドーズ シングルモルト ティロン2024 |
タイプ | シングルモルト |
ALC. | 49.4% |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 8,000円+税 |
リンドーズ シングルモルト フライアー ジョン・コー チャプター1

「フライアー ジョン・コー」 シリーズ第一弾。このボトルは通常レシピのバーボン樽、STR樽、シェリー樽の原酒に加えて、フランスのモンバジャック樽原酒を使用しています。軽やかで果実味豊かなリンドーズのハウススタイルに、モンバジャック由来の豊かな甘みと複雑さが見事に調和しています。60.2%のカスクストレングス、ノンチルフィルタリング、ノンカラー。
テイスティングコメント
熟したバナナやアプリコット、ハニーコム、そして焼きたてのパイやペストリーの香り。次第にリンゴやモモといったフルーティ、華やかなワインの香りが押し寄せてくるようです。味わいはリッチでフルーティ。デーツ、アプリコット、シナモン、イチジク、プルーン、ブラッドオレンジ、アーモンド、バニラ様々なフレーバーが複雑に絡み合っています。余韻には蜂蜜の甘みとほのかなスパイスとナッツ。
商品名 | リンドーズ シングルモルト フライアー ジョン・コー チャプター1 |
タイプ | シングルモルト |
ALC. | 60.2% |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,000円+税 |
リンドーズ シングルモルト フライアー ジョン・コー チャプター2

歴史に残っているスコッチウイスキー最初の生産者、フライアー(修道士)ジョン・コーの名を冠したシリーズ第二弾。
バーボン樽、STR樽、そして「ピーテッドラム樽」で熟成させた原酒をヴァッティングしており、シェリー樽原酒は使用していません。ピーテッドラム樽はもともとラムを熟成していた樽を払い出した後、他蒸溜所にてピーテッドウイスキーを熟成していた樽のこと。ノンピートしか造らないリンドーズ・アビー蒸溜所のスピリッツにピートフレーバーを加えた実験的な原酒です。この3樽の絶妙なブレンドによって、フルーティでシロップのような甘みと土っぽく深みのあるピートフレーバーのバランスがとれた、新たなスタイルのウイスキーが誕生しました。
カスクストレングスの60.9%でボトリング。リンドーズでは限定品でも透明瓶を使用しますが、このシリーズは「THE 1494」メンバー向けに発売したはじめてのウイスキー以来のブラックボトルを採用。これは1494年当時の修道士が着ていたチュニックの色からイメージされており、特別なウイスキーだけにしか使われません。柔らかなデザインのボトルシェイプは、修道院の遺跡に残る石柱の破片から、16世紀に破壊されてしまった建物の壮麗なデザインを復元したものです。
テイスティングコメント
芳醇なメープルシロップや焼きバナナ、デーツ、リンゴ、シナモン、キャラメリゼしたブラウンシュガーの香りで、ほのかなピート由来の土のニュアンス。味わいはリッチでフルーティ、洋ナシ、焼きバナナ、シナモン、キャラメリゼしたアーモンドに心地よいスモークや土っぽさが続き、ほのかに海を感じる。余韻は長く様々なフレーバーが感じられる。ベルベットのような口当たりで、複雑でありながら優れたバランスのウイスキー。
商品名 | リンドーズ シングルモルト フライアー ジョン・コー チャプター2 |
タイプ | シングルモルト |
ALC. | 60.9% |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,000円+税 |
スコッチウイスキーの始まりの地で味わう、唯一無二の一杯。
世界的に注目を集め始めているリンドーズ・アビー蒸溜所ですが、日本ではまだその名を知らない人も多いかもしれません。500年以上前にスコッチウイスキーの歴史が始まったその地で造られるウイスキーは、まさに「飲む世界遺産」。スコッチファンなら一度は味わっておきたい、特別な一本を見つけてみてはいかがでしょうか?
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※商品の外装(ラベル、ボトル、キャップシール等)については、変更となる場合があります。
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